注文住宅を選ぶ基準、今回は省エネ性(ZEH)、について書いていきたいと思います。
注文住宅を考える際に省エネ性能、断熱性、気密性を見る方も多いのではないでしょうか。
そんな方にお役立ちするためにこの記事では以下の内容について書いていきたいと思います。
・なぜ省エネが重視されるようになったのか
・断熱性、気密性見る時のポイント
・ZEH制度について、ハウスメーカーによってのZEHの違い
このサイトはハウスメーカーの営業である私が、普段お客様にお伝えできないようなことなど、よりフラットな目線で皆様にご満足いただける家選びについてお伝えできればと思い、開設致しました。
少しでも皆様にお役立ちができれば幸いです。
それでは早速参りましょう。
・なぜ省エネが重視されるようになったのか
私たち住宅営業はお客様が展示場来場時に家づくりで重視する項目についてアンケートにお答えいただくようにしており、集計をとっております。
その中で近年ご要望としてとても増えているのが、省エネ性能です。
なぜ省エネ性能を重視する方が増えているのか、これについて私の見解を申し上げますと、
省エネ性能が高いお家をつくれないと、ハウスメーカーが生き残れない
これじゃないかと思うわけです。
環境問題について現在日本という国は世界に対して、約束をしております。
それが2015年パリ協定です。
日本は2015年のパリ協定にて、温暖化ガスの排出量を2013年比46%減を目標とし、そのために家庭部門(住宅)の温暖化ガスを66%減しないとなりません。
これはハウスメーカーによって大きな問題となります。
なぜなら国が省エネを推している以上、企業であるハウスメーカーはそれに乗っかるしかないからですね。
現に2020年に次世代省エネ基準の義務化という案が国で進められていました。これは国が定めた新築住宅の次世代省エネ基準(Ua値0.87)を適合義務とする法律です。
しかしこの案は結果的に白紙となりました。
次世代省エネ基準適合率100%が現実的に到底無理だったからです。
当時の省エネ基準適合率は60%と100戸新築住宅が建てば40戸は
省エネ基準に適合しないお家だという結果でした。
もしこの案が成立していたら、日本の工務店、ハウスメーカーの40%近くが倒産していたでしょう。
しかし省エネ化の課題は残ったままです。
当然ですが、省エネ住宅を得意としているハウスメーカーはこの時流に乗っかって省エネ性能を大々的にアピールします。
国も省エネ住宅をどんどん建てるように後押しをします。
そのためのZEH補助金というものがあるわけです。
そうすると消費者であるお客様も必然的に省エネに関心を持つようになります。
特に今は電気代がどんどん上がっている時代です。
省エネ住宅を作ることは建築コスト増につながるわけですが、40年、50年と当たり前に住むと考えれば、ランニングコストが減った方がメリットは大きいです。
逆に今お家づくりをする方で、省エネに無関心で、基準を下回るお家、もしくは基準をギリギリクリアしている程度で家づくりをするとしましょう。
現在国は住宅の省エネ性能を大きく上げようと動いております。
特に日本はアメリカやドイツなどと住宅性能を比べると著しく劣っているので。
30年後の省エネ住宅の基準と今の省エネ住宅の基準は同じになりますでしょうか?
いいえ、絶対にそうはなりません。
であれば今だからこそ、省エネ性能の高いお家を建てて30年後も省エネと言えるお家のほうが結果的に満足できるのではないでしょうか。
今であればありがたいことに国も補助金を出してくれるわけですしね。
営業からこのような話をすると多くのお客様は省エネ性能をとても気にするようになります。
現に今注文住宅で着工戸数が年々増えているメーカーはどこも省エネ性を重視しているメーカーです。
それでは省エネなお家とはどのようなお家なのでしょうか。
・断熱性、気密性を見る時のポイント
省エネお家、それは断熱性、気密性が高いお家です。
断熱性、気密性、注文住宅をご検討される方からすると、よく耳にするワードかと思います。
断熱性を一言で説明すると、
お家の保温力です(熱をどれだけ逃さない、侵入させないか)。
気密性を一言で説明すると、
住宅に隙間がどれだけ少なくできるかです。
おそらく住宅展示場に行くと、構造模型などのサンプルが置いてあって、自社の性能について熱心にアピールされるでしょう。
そのような話を色々なハウスメーカーから聞くと、結局どのハウスメーカーが性能がより良いお家なのかわからなくなるなんてことがよくあると思います。実際に私もお客様からそう言われたことも何度かあります。
そのような場合、シンプルに数字で比べてみてはいかがでしょうか。
皆様、車を購入するとして燃費性能の高い車を選ぶとしましょう。
その際にまず何を見るでしょう。
リッター◯kmという数字を見る方がほとんどかと思います。
この数字を見て車選びをすれば燃費性能が高い車を選ぶという目的は間違いなく達成されるでしょう。
住宅にも燃費性能を表す数字があります。
それが断熱性能の場合、
Q値(Ua値):熱損失係数
気密性能の場合、
C値:隙間相当面積
この2つの数字が住宅の省エネ性を表す数値です。
断熱性が高ければ、外気の暑さ、寒さの影響が受けにくいお家になります。
ここで注意していただきたいのが、断熱性だけでは不十分ということです。
断熱性が高ければ、おうちの保温力が高くなりますが、これはお家の隙間部分までは計算していません。
例えば、熱を通さない魔法瓶があったとしても蓋が開けっぱなしであれば全く意味がありません。
家の場合は眼に見えるような隙間はないのですが、小さな隙間が家中無数にあります。
それがよく隙間風と言われるようなものです。
一般的にはその無数にある隙間を一つに集めると家の、窓ひとつ分くらいになると言われています。
つまり気密性が低いお家は窓を常に開けっぱなしで冷房や暖房をしているのと同じということです。
重要なのは断熱と気密がセットということです。
断熱で外気と外周部との熱の出入りを少なくし、気密で熱が漏れる隙間を極力少なくする、この二つが揃って初めて省エネ住宅が完成するのです。
それを明確に表すのがQ値とC値です。
外気の熱の影響や家の隙間は少なければ少ない方が良いので、
この2つの数字は0近ければ近いほど良いということになります。
ハウスメーカーは口八丁で自社の性能の高さをアピールします。
しかし、お客様はこの二つの数字を見ておけばある程度自分の家の省エネ性を担保できます。
もちろんハウスメーカーによってこの二つの数字の出し方が違います。
特に気密性はお家の施工の精度を表すので、気になる方は実際の施工現場や住宅工場を見学して、ハウスメーカーの施工に対する姿勢をみるのもいいでしょう。
しかしある程度の比較はQ値、C値、この2つの数字を見れば簡単でしょう。
・ZEHについて
前述でも書いた通り、今は省エネ性が高いお家づくりをされる方に国から補助金を出す
ZEH(Zero Energy House)という制度があります。
ここではZEHでのハウスメーカーの見分け方について書きたいと思います。
そもそもなぜこのような制度があるのかというところから説明しますと
省エネ住宅を作るには建築コストがかかるからです。
当然壁の中に入る断熱材をいいものであったり、厚みを入れないといけなかったり、必然的にコストは高くなります。
しかし、国としては省エネ住宅を増やしていきたいので省エネ住宅を立てる方への資金援助として補助金を出すわけです。
国の予算で行うので、年度や公募時期によってなどで補助金の額は変わっていきますが、2021年のZEH補助金では100万円以上の補助金を受け取る方もいらっしゃいます。
普通に働いて100万円稼ぐのは大変ですからとても大きな補助金ですよね。
もちろんハウスメーカーとしてもZEH対応可能住宅として皆様にアピールをします。
ここで本題のZEHでのハウスメーカーの見分け方についてですが、重要なポイントは下記の2つです。
・ZEH住宅採用の物件の数
・ZEH仕様にするにあたってのコスト
この2つを見ることによってそのハウスメーカーが当たり前にZEH住宅を販売できるメーカーなのかがわかります。
どういうことかと申し上げますと、
まずZEH採用件数が非常に少ないメーカーですと
そもそもベースとなる自社の家づくりが省エネ性がそこまで高くないということです。
当然省エネ性が高いメーカーであればZEHほど売りやすい制度はないですから強くアピールをします。
そしてZEH仕様にするにあたってのコストが100万円、200万円以上高額となる場合も要注意です。
なぜならZEH仕様にするのにほとんどお金がかからないメーカーもあるからです。
例えばですが、高額なメーカーと安価なメーカーの2社で家づくりを検討しているとします。
どちらもZEH採用可能で補助金100万円がもらえます。
お安いメーカーはZEHにする場合で建築コストが200万円上がるとしましょう。
一方高いメーカーはZEH仕様にする場合でもほとんど費用が変わらないとします。
安いメーカーでは200万円建築コストが上がって100万円補助金がもらえるので結果100万円追加のコストが掛かってます。
しかし高いメーカーではZEHの補助金で建築コストがマイナス100万円になるわけです。
そうすると2社を比較した時の印象が大分変わるかと思います。
補助金で割安に帰るのであればより質の高い住宅を選ぼうとする方も多いのではないでしょうか。
何よりZEH関係なしでも当たり前にZEHと同等、もしくはそれ以上の省エネ住宅を作っているという安心感があります。
ZEH補助金はタイミング次第で受けれる受けれないがありますが、
このような注文住宅の比べ方もあるということを覚えておいていただければ幸いです。
・まとめ
今後の住宅業界はより省エネ性について厳しくなっていくと思います。
日本は海外と比べ住宅性能が大きく劣っています。
だからこそ今後は日本の住宅の省エネ性は上がっていくと思います。
30年後も後悔しない家づくりができるよう、お役立ちができていたら幸いです。
今後注文住宅を検討される方は
まずは資料請求をしてからのご来場をお勧めしております。
住宅展示場もとても良いのですが、
一回の展示場を見るのに2時間ほどかかります。
一度資料請求して気になるメーカーを見ていくのが一番の近道です。
資料請求は無料でできるのにも関わらず
対応してくれる営業マンは経験豊富な人も多いです。